諸君、準備は良いだろうか。
ヤマキでもなんでもいい。そろそろつゆを揃えるべき時期がきた。つまり、間も無く、梅雨が来る、ということだ。
………。
最近。スーパーで、赤ちゃんがビービー泣いていた。
然にあらば、という具合にやったのが、この顔だ。さあ皆さんご一緒にレッツトライ。鏡を目の前において。
まず両手の小指を鈎のように折り曲げ、口端につっこんで引いていただきたい。アンドゥトロ
ヤマキでもなんでもいい。そろそろつゆを揃えるべき時期がきた。つまり、間も無く、梅雨が来る、ということだ。
………。
最近。スーパーで、赤ちゃんがビービー泣いていた。
然にあらば、という具合にやったのが、この顔だ。さあ皆さんご一緒にレッツトライ。鏡を目の前において。
まず両手の小指を鈎のように折り曲げ、口端につっこんで引いていただきたい。アンドゥトロ
。次に鼻の穴の淵に薬指をかけて膨らまそう。鼻を膨らますのは指無しでできる?結構。私もだ。アーユーレディ?マン?………。さあ、薬指か中指で鼻梁を少し上に引き上げてみよう。そろそろ脱落者が出たかな?では、最後に、中指か人差し指で、目尻をおもいっきり垂れさせてみよう。そして最後に極めつけとばかりに小指を引っ張ろうか。グレイト!最後までついてこれたあなたは見込みがある。
今見た表情を、自分しかいない部屋でやるのは、敷居が低い。
しかし、私は、レジの行列で泣く赤子と、あやすお母さんを見守る人々の前で行った。まずおかあさんが中途で噴き出し、次に変化していく顔に赤子様が大泣きし、周囲の人達のうち三割弱の方が、口元をおさえながら、こらえきれない笑いをこらえようと試みていた。残りは、何やってるんだ、こいつ、という具合である。
どうも私の笑いのセンスはいつも、自分が思う対象とは別の対象にしかヒットしない。無念だ。作った変な顔をやめて、憮然としてしまった瞬間の、爆笑といったらなかった。
まあ、深夜大泣きする我が子のために、寝不足がちな母親の助けになればいい、というのは、考えに考えて捻り出した建前だ。本音は、ネタがまったく不発に終わった事で、ショックだったような楽しいような?
さて、それでは意気揚々と本題に入ろう。
●Wondershare データリカバリーって?●
Wondershare社製のデータリカバリーソフトだ。説明しやすくて有難い。
既に読み応えのある切り口の体験レビューが揃っているので、私は搦め手から書いていこうと思う。
──────────────ここから本文──────────────
────────────感想が活用方法兼ねる────────────
●いいの?●
なかなか良い。
だが、非常に困った事に、やばいあれけしちゃった!という事故の本番を迎えるまでは、確たることが言い難い。導入後に、体感で良いな、と思う部分はすでにでてきているので、後ほど感想にて、詳しく書くことにする。
これを言ってしまうと、身も蓋もないのだが、敢えて言おう。
PC9801DAの頃から、フロッピー一枚でやれる範囲で、あれやこれやとやるところからはじまり、外付けの40MBのHDDすら高級品であった時代を経験し、光学メディアの発展やHDDの大容量化をなぞってきた私にとって、ここ数年、このソフトが活躍できるシーンが訪れたことはない。
ちょっと正確性を欠くので補足すると、データが消えたことがないわけでない。HDDが物理的に死亡したケースとか、中古業者に売却済みである、とか、データ復元ユーティリティが活躍する場面ではなかったのだ。
そこで、知人に聞いてみた。いずれもPC歴15年超を誇る者どもだ。
Q1:「大事なデータって消したことある?」
A1:「ある。けど、大事だと思ったら、そもそも即座に焼くから。消えてもさくっとリカバリ可能。別にRWでなくたってできるしね。USBメモリならもっと便利じゃん?かさばらないし」
A2:「あるある。重要なデータは、ほぼリアルタイムでファイルサーバにも保管されるから、こっちも問題にはならないな。両方に障害起きるなんて稀だし。そこまできたら素直に諦める。幸い、そうなったことはない」
A3:「昔の会社でなら散々ね。今の会社ではやらないようにしてる」
と、このように、大事なファイルというものは、多くの場合、それぞれの管理法があるようだ。
●具体的には?●
▼誰もが注意深いわけではない▼
私や、私の知人達もまた、注意深いわけではない。
先ほどの質問と回答に見られるように、それぞれ、痛い目を見た経験があるゆえに、対策を自力で行って、事故の発生を防いでいる。
例えば、私は生来、そそっかしくて、その上間抜けだ。したがって、PCのワークフローは実にシンプルなものを使っている。フォルダ構造も洗練されているとは言いがたい。そうでなければ実行出来ないからだ。私でも間違わない、というものを経験則から導き出した具合だ。
他人がみれば、分類がおろそかで、雑多なデータフォルダも、私から見れば間違って消したりしない、という一点でもって使いやすい。これに加え、Shift+Delete-ゴミ箱を介さずに消去するホットキー 取り扱い厳重注意-は決して使わない。また、ゴミ箱からの消去は時間にゆとりのある時に、じっくりと確認しながら行う。誤削除を防いでいるのは、たったそれだけだ。
ファイルサーバを立てて、と言っている知人も、そうするだけの失敗を経て対策を立てることにしたはずだ。自宅サーバーレベルでなら通用する、サーバ構築技術を持ち、またサーバに仕立てるハードウェアを持ち、なおかつ、手間をかけているからこそできることでもある。電気代もかかるだろう。
CD-Rを用いると言っている知人は主にメディアにお金を欠けている。枚数が増えれば管理も一苦労だろう。増えてきた大量のメディアを月に一度程度数時間をかけて整理し、いらないものは割って捨てるなどしているそうだ。
お分かり頂けただろうか。
重要ファイルを消さない為に、それなりのものを支払っているのだ。私の場合は、便利なショートカットキーを使わず、また確認の手間をよりかけている分、時間を浪費している。
ファイルサーバを自前で用意している知人だとて、余分に一台のPCのメンテナンス時間や、電気代をかけている。
▼活躍するシーン▼
PCも趣味に含まれる人だと、メンテナンス時間も苦痛とはなりにくい。しかし、世の中そんな人ばかりなわけがない。
PCが単なる道具である人にとってこそ、データ復元系のユーティリティは重要だ。
ヒューマンエラーは避けがたいことだ。殆ど起こらないところまで習熟するというのは、生半可な経験では難しい。例えば、さっさとパソコンを使った作業を終わらせて、外出しよう、なんて気持ちでいる事は、パソコンを趣味としている私でも、そこそこあることだ。パソコンが趣味ではない人にとっては、もっと多いのではなかろうか。こういうふうに気が急いている時、どうしても不注意になりがちだ。
あのファイル、CD-Rで焼くなりしたほうがいいかな。まあでも、もうちょっとたまってからでもいいか。こんなふうに考えたことはなかろうか?こう考えたファイルが後回しにしていい程度のプライオリティであったのかもしれないが、後回しに後回しにしている間に、作業量が増えて、今度は億劫になるのだ。今は時間がないから、と言った形でさらに後回しになってしまううちに、未バックアップのフォルダのファイルネームの大半が、記憶から遠いものとなっていき、さらに時間がかかるようになる。几帳面な性格の人でもなければ、大体の人が経験することのはずだ。
そうして、バックアップのなされていないファイルの数が増えるごとに、消失のリスクは増し、その機会も遠からず巡ってくる。
復元ユーティリティの活躍するシーンは誰にでも巡ってくるが、各々のPC歴や活用形態で、頻度は格段に違う。
▼洗練されたインタフェース▼
これまで語ってきた内容から、この種のユーティリティの需要が高いのは、使用時間の短いライト層だ、ということにさせて頂く。
ライト層をターゲットにしたユーティリティーであるのなら、わかりやすく、使いやすい。この二点が重要だ。
画像3から4にインタフェースの一例を示したので、ご覧頂きたい。理解するのに十分なメッセージ。大きくて選びやすいボタン。そして、いざ修復となれば、皆様が慣れ親しんだエクスプローラライクな画面。使いやすさのための基本を実に忠実になぞらえている。
レビューを書く際に、フリーウェアの同種のソフトをいくつかさらっと触ったが、私にとってUIが馴染みやすいのはダントツでこれだった。
▼誰にでも大事なデータがある▼
私にとってのそれは、ゲームのMODのパッケージだ。仕事上のファイルも勿論大事だが、より重要度が高い為に、最優先でバックアップを行なっている為、問題が起きにくい。対してMODのパッケージは、容量的にいってもかさばるが為に、管理に時間と手間がかかる。こういうわけで後回しになりがちだ。ネット上では再入手不可能になっているものも多く、もしまかり間違って消したりしたら、私はのた打ち回ることだろう。メディア代をケチる節約家なので、おいそれと焼くわけにもいかない。
わかりにくい例えはさておいて、皆様にも、デジカメでとった家族写真などがあるはずだ。子供の成長記録なんて消えたら、それこそ号泣ものなのではなかろうか。
とくに、Shift+Deleteを多用しがちな、せっかちな人。なんでもShiftで一括指定してしまいがちで、CTRLとShiftの使い分け-同時押しなども活用することにより数百のファイルから途切れ途切れの範囲指定ということも可能─をする手間を省く、慌てん坊さん。この両者では特に頻度が増す。
CTRL+C(コピー)やX(切り取り)ならば私も多用する。そして稀に、分類すべきフォルダを間違えたまま気づいていなかったり、そもそもどこに移動させようとしていたかを忘れることがある。また、CTRL+Cを使ったつもりがCTRL+Xだったということも少なくない。
これまでは、そういう時、検索を走らせるか、思い出すかして、解決してきたが…。
▼そこでばばんと取り出したりまするは▼
Wondershare データリカバリー
画像1をご覧頂きたい。これは、この当時、USBメモリの購入を惜しんで、所有していたMP3プレーヤをリムーバブルメディア代わりとしても使っていた頃の、惨憺たる有様というやつだ。
中に入っているのはMP3プレーヤとしてのデータだけでなく、構築中だった動的サイトのデータ。それから、それをLinuxのLAMPP環境下で稼働させるためのファイルも入れてあった。残念ながら、サイト自体は習作であるので、別にサイトデータは重要ではないし、古いXAMPPもまた然りだ。しかし大事なものだったと考えてみよう。
構築中のサイトや必要なパッケージは、大分前にPCにデータを移して消したのだが、幸いこのメディアの読み書きはそんなには行なっていなかったおかげもあって、確率的には1/3ほどではあったものの、復旧できた。
画像2は復旧後のPHPファイルの中身の確認の一例だ。
文字化けに首を捻りはしたが、コメントアウト文が中心であったところから、文字コードだな、と即座に判明。当時、EUC-JPで開発していたことを思い出し、表示をEUC-JPにしたところ、完全に復元できていることが確認出来た。
この他、一緒にリカバリしたXAMPPのTarballも使用に不足はなかった。
また、驚いたことに、存在すら完全に忘れ去っていた程のテキストファイルなども、容量が少ないものなら復旧できていた。
もちろん、いくつかのtarballは復旧できなかった。ただし、ファイルネームがきちんと表示されるだけでも、再入手をする為の手がかりになるのだから、有難いといえる。
復旧の成否については、運もあるのだろうから、このソフトがすごい、とは言い切れないが、困ったときの神頼みよりは、Wondershare データリカバリー頼りだ。全てが回復できるわけでなくとも、一部でも取り戻せるのなら、ただ諦めるより遥かに良い。
パーティションの修復という機能も搭載されているので、こちらも、10Gb程度の小さなパーティションを作って、インターネット一時フォルダを移し、色んなページを巡回した上で、編集前のゲームのプレイ動画データなども放り込んで、削除して試してみたが、動画を除けば、復元率は芳しく、意外な発見。ただし、早いとはいえなかった。やっている内容が内容なので、まあ仕方がないだろう。
▼遊べる?▼
遊べる。
「遊ぶでない。馬鹿者めが、ユーティリティを何に使う気でおじゃる」という声が聞こえてきた気がする。
きっとconeco.netの上の方だ。しかし、大変申し訳ないが、自他共に認めるゲーマーに、遊ぶなといって、仮にロープで縛ったとしても、縄抜け遊びをはじめるので意味がない。抜けられない場合、ほどいてもらうための哀願方法の考案ゲームを楽しむ。それでもダメなら、せめて愛玩といって、くだらないことを言っている自分を楽しむ。
………。
気を取り直して…。
私が真っ先に見出したこのソフトの活用方法は、復元ソフトというには程遠いものだ。当然リカバリーが目当てではない。復旧が不可能だった、欠損した画像ファイルの、一部だけが表示されたプレビューから、元がなんであったかを類推するというゲームだ。
Rawファイルの検索を行い、画像データを選択して次々見ていけば、やがて欠損ファイルが見つかる。このRawファイルの検索。消去済みのインターネット一時ファイルが結構多く引っかかる。一度は興味をもって見たページの画像が色々引っ張りだされてくるのだ。
大きく欠損し、一部しか正常にみれないものは、それが何であったかまで。そこそこわかるものは、どのページでみたのかを推理して、そのURLにたどり着くことを目的とする。
これ、五分とか十分の息抜きには、もってこいの遊びだ。検索結果が保存できるので、ある意味ゲームをセーブしたような作用があり、後々また遊ぶときにロードできる。
使用頻度の少ない、いざというときの為のユーティリティの別の使い方としては、脳トレみたいな側面もあるので良いじゃないか、と個人的には思っている。
無論、二十分以上あれば、ちゃんとしたゲームをやるのは言うまでもない。
●注意事項●
この手のユーティリティは、万が一の時の保険であることを忘れてはならない。
これがあるから大丈夫、と頼りっきりにしたとすれば、同種のどの製品でも満足のいくフォローをしてくれはしないだろう。ユーザ側である程度の努力をした上で、どうしても目が届かない時に起きてしまった事故での損失をより軽微とする為のツールだ。
二重三重の防護策の一つとして採用するには、必要十分以上の性能を発揮してくれることは、断言出来る。
●感想●
このソフトを導入後に、ファイルの保守のフローが大幅に効率化された。
最重要としたフォルダは、クラウドストレージサービスのユーティリティに同期を任せて保守し、そうではないファイルは、いざというときに復旧できる可能性があるだけで別にいいじゃんと安楽に考えるようになり、このソフトに一任した。
さて、その結果は…。
Shift+Deleteを解禁するようになった。つまりゴミ箱の整理時間を大分低減することに成功したのだ。重要ファイルを特定のフォルダに必ず放り込む癖をつけさえすれば、その他のフォルダでは、ファイルを消す前に一々、これは必要か否か、とじっくり考える必要もなくなったので、総合的に言って時間を効率的に活用出来るようになった、と思う。
このソフトを導入することで、安心感を得たからこその変化だ。石橋を叩いて渡るのは良いが、ことわざの醸す、どことない虚無感、そしてその本来の意味の通り、これまでの管理は時間の無駄だったように思う。
より快適なPCワークフローに移行するきっかけとなってくれた上に、ちょいの間の息抜きの遊びにも役に立つのだから、満足度は高い。
●与太話●
メタボアーマーを脱ぐ予定が、大腿筋強化プログラムに成り果てつつある。減った脂肪の代わりにゴツゴツとしてきてしまったこれが、重いのなんの。筋肉量の増加で基礎代謝量がアップするから、歩けばいいのさ、みたいにして歩くと、さらに大腿筋が強化される悪循環。ダイエットの魔窟に迷い込んだ結果、ふくらはぎまでが、剛直さを増している。
そこに近頃の湿度の上昇が押し寄せてきた。全身汗だくになってしまいがちで、見る人には不快なんだろうなあ、と思いつつも、体重減少に弾みがついているので、にこにこしてしまいそうだ。
毎年この時期になると、紫陽花は楽しみだが、湿度の高さは鬱陶しい、と感じたことしかなかった。まさかこんな形で、湿度よもっと上がれ、なんて思う時が来るとは…。
それでは皆様、また次回。
今見た表情を、自分しかいない部屋でやるのは、敷居が低い。
しかし、私は、レジの行列で泣く赤子と、あやすお母さんを見守る人々の前で行った。まずおかあさんが中途で噴き出し、次に変化していく顔に赤子様が大泣きし、周囲の人達のうち三割弱の方が、口元をおさえながら、こらえきれない笑いをこらえようと試みていた。残りは、何やってるんだ、こいつ、という具合である。
どうも私の笑いのセンスはいつも、自分が思う対象とは別の対象にしかヒットしない。無念だ。作った変な顔をやめて、憮然としてしまった瞬間の、爆笑といったらなかった。
まあ、深夜大泣きする我が子のために、寝不足がちな母親の助けになればいい、というのは、考えに考えて捻り出した建前だ。本音は、ネタがまったく不発に終わった事で、ショックだったような楽しいような?
さて、それでは意気揚々と本題に入ろう。
●Wondershare データリカバリーって?●
Wondershare社製のデータリカバリーソフトだ。説明しやすくて有難い。
既に読み応えのある切り口の体験レビューが揃っているので、私は搦め手から書いていこうと思う。
──────────────ここから本文──────────────
────────────感想が活用方法兼ねる────────────
●いいの?●
なかなか良い。
だが、非常に困った事に、やばいあれけしちゃった!という事故の本番を迎えるまでは、確たることが言い難い。導入後に、体感で良いな、と思う部分はすでにでてきているので、後ほど感想にて、詳しく書くことにする。
これを言ってしまうと、身も蓋もないのだが、敢えて言おう。
PC9801DAの頃から、フロッピー一枚でやれる範囲で、あれやこれやとやるところからはじまり、外付けの40MBのHDDすら高級品であった時代を経験し、光学メディアの発展やHDDの大容量化をなぞってきた私にとって、ここ数年、このソフトが活躍できるシーンが訪れたことはない。
ちょっと正確性を欠くので補足すると、データが消えたことがないわけでない。HDDが物理的に死亡したケースとか、中古業者に売却済みである、とか、データ復元ユーティリティが活躍する場面ではなかったのだ。
そこで、知人に聞いてみた。いずれもPC歴15年超を誇る者どもだ。
Q1:「大事なデータって消したことある?」
A1:「ある。けど、大事だと思ったら、そもそも即座に焼くから。消えてもさくっとリカバリ可能。別にRWでなくたってできるしね。USBメモリならもっと便利じゃん?かさばらないし」
A2:「あるある。重要なデータは、ほぼリアルタイムでファイルサーバにも保管されるから、こっちも問題にはならないな。両方に障害起きるなんて稀だし。そこまできたら素直に諦める。幸い、そうなったことはない」
A3:「昔の会社でなら散々ね。今の会社ではやらないようにしてる」
と、このように、大事なファイルというものは、多くの場合、それぞれの管理法があるようだ。
●具体的には?●
▼誰もが注意深いわけではない▼
私や、私の知人達もまた、注意深いわけではない。
先ほどの質問と回答に見られるように、それぞれ、痛い目を見た経験があるゆえに、対策を自力で行って、事故の発生を防いでいる。
例えば、私は生来、そそっかしくて、その上間抜けだ。したがって、PCのワークフローは実にシンプルなものを使っている。フォルダ構造も洗練されているとは言いがたい。そうでなければ実行出来ないからだ。私でも間違わない、というものを経験則から導き出した具合だ。
他人がみれば、分類がおろそかで、雑多なデータフォルダも、私から見れば間違って消したりしない、という一点でもって使いやすい。これに加え、Shift+Delete-ゴミ箱を介さずに消去するホットキー 取り扱い厳重注意-は決して使わない。また、ゴミ箱からの消去は時間にゆとりのある時に、じっくりと確認しながら行う。誤削除を防いでいるのは、たったそれだけだ。
ファイルサーバを立てて、と言っている知人も、そうするだけの失敗を経て対策を立てることにしたはずだ。自宅サーバーレベルでなら通用する、サーバ構築技術を持ち、またサーバに仕立てるハードウェアを持ち、なおかつ、手間をかけているからこそできることでもある。電気代もかかるだろう。
CD-Rを用いると言っている知人は主にメディアにお金を欠けている。枚数が増えれば管理も一苦労だろう。増えてきた大量のメディアを月に一度程度数時間をかけて整理し、いらないものは割って捨てるなどしているそうだ。
お分かり頂けただろうか。
重要ファイルを消さない為に、それなりのものを支払っているのだ。私の場合は、便利なショートカットキーを使わず、また確認の手間をよりかけている分、時間を浪費している。
ファイルサーバを自前で用意している知人だとて、余分に一台のPCのメンテナンス時間や、電気代をかけている。
▼活躍するシーン▼
PCも趣味に含まれる人だと、メンテナンス時間も苦痛とはなりにくい。しかし、世の中そんな人ばかりなわけがない。
PCが単なる道具である人にとってこそ、データ復元系のユーティリティは重要だ。
ヒューマンエラーは避けがたいことだ。殆ど起こらないところまで習熟するというのは、生半可な経験では難しい。例えば、さっさとパソコンを使った作業を終わらせて、外出しよう、なんて気持ちでいる事は、パソコンを趣味としている私でも、そこそこあることだ。パソコンが趣味ではない人にとっては、もっと多いのではなかろうか。こういうふうに気が急いている時、どうしても不注意になりがちだ。
あのファイル、CD-Rで焼くなりしたほうがいいかな。まあでも、もうちょっとたまってからでもいいか。こんなふうに考えたことはなかろうか?こう考えたファイルが後回しにしていい程度のプライオリティであったのかもしれないが、後回しに後回しにしている間に、作業量が増えて、今度は億劫になるのだ。今は時間がないから、と言った形でさらに後回しになってしまううちに、未バックアップのフォルダのファイルネームの大半が、記憶から遠いものとなっていき、さらに時間がかかるようになる。几帳面な性格の人でもなければ、大体の人が経験することのはずだ。
そうして、バックアップのなされていないファイルの数が増えるごとに、消失のリスクは増し、その機会も遠からず巡ってくる。
復元ユーティリティの活躍するシーンは誰にでも巡ってくるが、各々のPC歴や活用形態で、頻度は格段に違う。
▼洗練されたインタフェース▼
これまで語ってきた内容から、この種のユーティリティの需要が高いのは、使用時間の短いライト層だ、ということにさせて頂く。
ライト層をターゲットにしたユーティリティーであるのなら、わかりやすく、使いやすい。この二点が重要だ。
画像3から4にインタフェースの一例を示したので、ご覧頂きたい。理解するのに十分なメッセージ。大きくて選びやすいボタン。そして、いざ修復となれば、皆様が慣れ親しんだエクスプローラライクな画面。使いやすさのための基本を実に忠実になぞらえている。
レビューを書く際に、フリーウェアの同種のソフトをいくつかさらっと触ったが、私にとってUIが馴染みやすいのはダントツでこれだった。
▼誰にでも大事なデータがある▼
私にとってのそれは、ゲームのMODのパッケージだ。仕事上のファイルも勿論大事だが、より重要度が高い為に、最優先でバックアップを行なっている為、問題が起きにくい。対してMODのパッケージは、容量的にいってもかさばるが為に、管理に時間と手間がかかる。こういうわけで後回しになりがちだ。ネット上では再入手不可能になっているものも多く、もしまかり間違って消したりしたら、私はのた打ち回ることだろう。メディア代をケチる節約家なので、おいそれと焼くわけにもいかない。
わかりにくい例えはさておいて、皆様にも、デジカメでとった家族写真などがあるはずだ。子供の成長記録なんて消えたら、それこそ号泣ものなのではなかろうか。
とくに、Shift+Deleteを多用しがちな、せっかちな人。なんでもShiftで一括指定してしまいがちで、CTRLとShiftの使い分け-同時押しなども活用することにより数百のファイルから途切れ途切れの範囲指定ということも可能─をする手間を省く、慌てん坊さん。この両者では特に頻度が増す。
CTRL+C(コピー)やX(切り取り)ならば私も多用する。そして稀に、分類すべきフォルダを間違えたまま気づいていなかったり、そもそもどこに移動させようとしていたかを忘れることがある。また、CTRL+Cを使ったつもりがCTRL+Xだったということも少なくない。
これまでは、そういう時、検索を走らせるか、思い出すかして、解決してきたが…。
▼そこでばばんと取り出したりまするは▼
Wondershare データリカバリー
画像1をご覧頂きたい。これは、この当時、USBメモリの購入を惜しんで、所有していたMP3プレーヤをリムーバブルメディア代わりとしても使っていた頃の、惨憺たる有様というやつだ。
中に入っているのはMP3プレーヤとしてのデータだけでなく、構築中だった動的サイトのデータ。それから、それをLinuxのLAMPP環境下で稼働させるためのファイルも入れてあった。残念ながら、サイト自体は習作であるので、別にサイトデータは重要ではないし、古いXAMPPもまた然りだ。しかし大事なものだったと考えてみよう。
構築中のサイトや必要なパッケージは、大分前にPCにデータを移して消したのだが、幸いこのメディアの読み書きはそんなには行なっていなかったおかげもあって、確率的には1/3ほどではあったものの、復旧できた。
画像2は復旧後のPHPファイルの中身の確認の一例だ。
文字化けに首を捻りはしたが、コメントアウト文が中心であったところから、文字コードだな、と即座に判明。当時、EUC-JPで開発していたことを思い出し、表示をEUC-JPにしたところ、完全に復元できていることが確認出来た。
この他、一緒にリカバリしたXAMPPのTarballも使用に不足はなかった。
また、驚いたことに、存在すら完全に忘れ去っていた程のテキストファイルなども、容量が少ないものなら復旧できていた。
もちろん、いくつかのtarballは復旧できなかった。ただし、ファイルネームがきちんと表示されるだけでも、再入手をする為の手がかりになるのだから、有難いといえる。
復旧の成否については、運もあるのだろうから、このソフトがすごい、とは言い切れないが、困ったときの神頼みよりは、Wondershare データリカバリー頼りだ。全てが回復できるわけでなくとも、一部でも取り戻せるのなら、ただ諦めるより遥かに良い。
パーティションの修復という機能も搭載されているので、こちらも、10Gb程度の小さなパーティションを作って、インターネット一時フォルダを移し、色んなページを巡回した上で、編集前のゲームのプレイ動画データなども放り込んで、削除して試してみたが、動画を除けば、復元率は芳しく、意外な発見。ただし、早いとはいえなかった。やっている内容が内容なので、まあ仕方がないだろう。
▼遊べる?▼
遊べる。
「遊ぶでない。馬鹿者めが、ユーティリティを何に使う気でおじゃる」という声が聞こえてきた気がする。
きっとconeco.netの上の方だ。しかし、大変申し訳ないが、自他共に認めるゲーマーに、遊ぶなといって、仮にロープで縛ったとしても、縄抜け遊びをはじめるので意味がない。抜けられない場合、ほどいてもらうための哀願方法の考案ゲームを楽しむ。それでもダメなら、せめて愛玩といって、くだらないことを言っている自分を楽しむ。
………。
気を取り直して…。
私が真っ先に見出したこのソフトの活用方法は、復元ソフトというには程遠いものだ。当然リカバリーが目当てではない。復旧が不可能だった、欠損した画像ファイルの、一部だけが表示されたプレビューから、元がなんであったかを類推するというゲームだ。
Rawファイルの検索を行い、画像データを選択して次々見ていけば、やがて欠損ファイルが見つかる。このRawファイルの検索。消去済みのインターネット一時ファイルが結構多く引っかかる。一度は興味をもって見たページの画像が色々引っ張りだされてくるのだ。
大きく欠損し、一部しか正常にみれないものは、それが何であったかまで。そこそこわかるものは、どのページでみたのかを推理して、そのURLにたどり着くことを目的とする。
これ、五分とか十分の息抜きには、もってこいの遊びだ。検索結果が保存できるので、ある意味ゲームをセーブしたような作用があり、後々また遊ぶときにロードできる。
使用頻度の少ない、いざというときの為のユーティリティの別の使い方としては、脳トレみたいな側面もあるので良いじゃないか、と個人的には思っている。
無論、二十分以上あれば、ちゃんとしたゲームをやるのは言うまでもない。
●注意事項●
この手のユーティリティは、万が一の時の保険であることを忘れてはならない。
これがあるから大丈夫、と頼りっきりにしたとすれば、同種のどの製品でも満足のいくフォローをしてくれはしないだろう。ユーザ側である程度の努力をした上で、どうしても目が届かない時に起きてしまった事故での損失をより軽微とする為のツールだ。
二重三重の防護策の一つとして採用するには、必要十分以上の性能を発揮してくれることは、断言出来る。
●感想●
このソフトを導入後に、ファイルの保守のフローが大幅に効率化された。
最重要としたフォルダは、クラウドストレージサービスのユーティリティに同期を任せて保守し、そうではないファイルは、いざというときに復旧できる可能性があるだけで別にいいじゃんと安楽に考えるようになり、このソフトに一任した。
さて、その結果は…。
Shift+Deleteを解禁するようになった。つまりゴミ箱の整理時間を大分低減することに成功したのだ。重要ファイルを特定のフォルダに必ず放り込む癖をつけさえすれば、その他のフォルダでは、ファイルを消す前に一々、これは必要か否か、とじっくり考える必要もなくなったので、総合的に言って時間を効率的に活用出来るようになった、と思う。
このソフトを導入することで、安心感を得たからこその変化だ。石橋を叩いて渡るのは良いが、ことわざの醸す、どことない虚無感、そしてその本来の意味の通り、これまでの管理は時間の無駄だったように思う。
より快適なPCワークフローに移行するきっかけとなってくれた上に、ちょいの間の息抜きの遊びにも役に立つのだから、満足度は高い。
●与太話●
メタボアーマーを脱ぐ予定が、大腿筋強化プログラムに成り果てつつある。減った脂肪の代わりにゴツゴツとしてきてしまったこれが、重いのなんの。筋肉量の増加で基礎代謝量がアップするから、歩けばいいのさ、みたいにして歩くと、さらに大腿筋が強化される悪循環。ダイエットの魔窟に迷い込んだ結果、ふくらはぎまでが、剛直さを増している。
そこに近頃の湿度の上昇が押し寄せてきた。全身汗だくになってしまいがちで、見る人には不快なんだろうなあ、と思いつつも、体重減少に弾みがついているので、にこにこしてしまいそうだ。
毎年この時期になると、紫陽花は楽しみだが、湿度の高さは鬱陶しい、と感じたことしかなかった。まさかこんな形で、湿度よもっと上がれ、なんて思う時が来るとは…。
それでは皆様、また次回。
hiroshi
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